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祖父と父の介護を在宅でやり続けたこと

在宅介護、14年の日々

在宅介護、14年の日々

自宅にて祖父の介護を12年、さらに父親の介護を現在も続けている筆者が、介護の現実、そして在宅介護を経験したうえでの思いを綴ります。

介護に携わって14年目

私はもうすぐ46歳になります。32歳の頃から家族の介護に携わるようになり14年目に突入しようとしています。元は経理事務員をしていましたが、介護との両立は難しく、現在は自宅で仕事をしながら父を介護しています。わが家の場合、祖父も父も自宅での生活が第一と考えているため、施設という選択肢はまったくありませんでした。

祖父の介護

祖父は13年前、82歳のときに脳梗塞で倒れ95歳で亡くなるまで、およそ12年間にわたり介護をしました。1回目の脳梗塞は軽かったのですが、1カ月後に2回目の脳梗塞を起こし、右半身が麻痺しました。最初は要介護2と認定されましたが、自分で杖をついて動き回れました。そして目を離した隙に1人で歩こうとし、廊下に脇腹を打ちつけて骨折してしまいます。その間は寝ても起きても痛がり、目が離せなくて大変でした。

2年後、胆石の手術で半年の入院を余儀なくされ、見守りだけでなく、歩くときも支えないとダメになってしまいます。仕事をしているときにも呼びつけられ、2時間に1回はトイレに連れていかなくてはならず、長時間の外出ができませんでした。

また、この数年後に3度目の脳梗塞を起こしましたが、非常に軽かったため、投薬(点滴)のみ1週間ほどで退院し、後遺症もありませんでした。

亡くなる3年前、ベッドから落ちて腰の骨を圧迫骨折して半年ほど入院します。帰宅後は要介護度4まで上がりました。段々体が弱り始め、ベッドで寝る生活が多くなってきます。

テレビを見ることや、御飯を自分で食べるのも難しくなり、亡くなる半年前は、受け答えも段々力がなくなってきました。訪問看護師さん、主治医にも往診に来てもらい、自宅で看取ることとなりました。

先生をはじめ、たくさんの方から、きっと本人は満足しているよと言われましたが、今でも、病院や施設であればもっと手厚くできたのではないか、自宅で十分なケアができていたのか、と自問自答することがあります。

父の介護

父は7年ほど前から、手や足が震える、字が小さくなって上手に書けない、表情がおかしい、腰が突っ張るように痛いという症状が目立つようになりました。

脳外科、内科では「どこも悪くない」と言われ、近所の整形外科で腰を診てもらったところ「これは神経の病気ではないか」ということで、自宅近くの神経内科で診察を受けます。

最初の診察で「はっきりと分からないので、時間をかけて診断をする」と伝えられ、大変な病気なのでは…と感じ、2人も体調が悪い人がいてこれからどうなるのか、と目の前が真っ暗になる思いでした。この2年後、薬の効き方や検査の結果、パーキンソン病だと診断されます。

3年ほど前、ちょうど祖父が亡くなる1年前から、薬の副作用が強くなり幻視が出るようになりました。真夜中に「引き出しの中に人がいる」と言いだし、押入れやタンスをひっくり返したり、家の中に知らない人間が7人もいると怒鳴られたりで、この時期はとてもつらかったです。

祖父の葬式を済ませた翌日、薬を調整するために入院することになりました。入院期間は半年間におよびましたが、お陰で少し病状が落ち着いてほっとしています。

現在も、細かい虫やトンボが見えたり、カーテンの陰に人がいたりするように見えるそうですが、幻視だと本人も理解できるようになり、目に見えて落ち着いてきました。ただ、体の動きは徐々に悪くなっており、歩くのがおぼつかなくなることがあります。ベッドから起きあがりや食卓からの立ち座りの補助など、父は体が大きいので腰や足を痛めることも少なくありません。

介護で大変だと感じること

私が一番つらいと感じるのは、自分の時間が自由にならないことです。出かけるにもトイレを済ませ、次のトイレ時間までの2時間で帰ってこなくてはいけません。週1~2回程度の通所リハビリテーションやデイサービスに出かけたときでも、3時間程度です。これでは、遠出はできません。

介護をするうえで、おすすめしたいこと

これから介護をする方には、何かしら仕事を持つようにおすすめします。生きがいになるという面だけでなく、経済的にも苦労することがあるからです。「介護保険があるから、費用はかからないのでは?」とか、「住宅改修の補助があるのでは?」と思う方もいるでしょうが、介護は見えないところでお金がかかります。また、介護に必要な器具などを購入するよう、専門家から提案されることもあります。

毎日、被介護者と向き合っていると、かなりストレスが溜まります。私の場合は、幸い治りましたが、突発性難聴を起こしました。母は1型糖尿病を発症し、病気をコントロールしながらの介護を余儀なくされています。無理は禁物です。できればショートステイなどを上手に使って、時々息抜きすることを覚えてください。

介護したからこそ気づいたこと

介護はマイナス面しか見えないと思われる方も多いですが、私が介護を続けてきたうえで気づいたことがあります。それは、まわりの人の温かさです。車いすで祖父をつれていたとき、若い方が道を譲ってくれたり、エレベーターの乗降で下りやすいようにボタンを押して待っていてくれたり、という経験を何度もしました。また、車に乗せるときに手伝ってくれた方もいますし、段差でつまずいたら車いすを一緒に上げてくれる方もいました。「温かい人が大勢いるんだな」とうれしく、「ありがとう」という言葉が自然と出てくるようになりました。私自身、介護をする前よりも優しい人間になれたかもしれません。何事もよい面もあれば、悪い面もあるのだと感じています。

在宅介護を考えている方へ

もし、在宅介護を考えている方がこちらを読んでいたら、「頑張りすぎないで」と伝えたいです。困っていることがあれば、ケアマネージャーさんや介護・福祉に関わる方に、現状を包み隠さず話して要望を伝えましょう。なかなか伝わらないかもしれませんが、介護サービスのスタッフからよい方法を教えてもらえる場合もあります。親族が手伝ってくれないとか、口ばかりで手は出さないこともあるでしょうが、なるべく1人で抱え込まず、専門家に力になってもらってください。