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介護業務に携わって10年以上の経験者が語る

在宅介護か、施設介護か

在宅介護か、施設介護か

高齢者のいる家庭にとって、在宅か施設、どちらで介護するかというテーマは永遠の課題です。本人の介護にどれくらいの時間と手間が必要か、お金はどのくらいの援助が必要かなどによって考え方は違ってきます。本記事では、在宅・施設介護それぞれのメリットなどを、介護業務を10年以上経験してきた筆者が解説します。

本人だけではなく、支える家族の状況も考える

本人(被介護者)の心身的な状況はもちろん、同じく必ず考えないといけないのは「本人を支える家族の状況」です。まずは、同居・別居、別居の場合は、遠いのか近いかなどのハード面の状況があります。そして、最も重要なのは「誰がメインで面倒を看るか」ということです。面倒を看る方に兄弟姉妹がいるのか、結婚していて夫婦で動けるかどうかによっても変わってきます。

本人とそのまわりの状況を整理しておかないと、頻繁に介護が必要になったときに慌てて施設へ入所するのか、在宅介護を継続するのかを判断するのは危険です。介護サービスや医療・介護施設の情報を整理して、余裕を持った決断をすることが、本人と家族を守るために必要です。

在宅介護ができるか検討する

在宅介護の最大のメリットは、住み慣れた家で過ごせることです。これは、本人だけでなく、介護する家族にとっても理想です。ただし、在宅介護をしていくには、条件がそろうことが必要です。

例をいつくか挙げると、

  • 介護の現場となる自宅はバリアフリーになっているか
  • 緊急時に訪問してくれる主治医はいるか
  • 近隣住民との関係は良好か

などです。

そして、一番重要なのは、介護される本人の状態が、将来どう変わっていくかです。例えば、今は1人で歩くことができ、排泄やお風呂もなんとか自分でできる状態だとしましょう。この場合であれば、ヘルパーやデイサービスを使いながら、家族は定期的なサポートをすることで十分に在宅生活は可能です。

しかし、この状態がずっと続く保証はありません。1人での歩行が難しくなり、排泄も失敗が増えてくるとどうでしょうか。家族としては、そのままにしておくことはできず、ヘルパーやデイサービスの利用を増やすことになります。もちろん、家族のサポートの量も増え、突然の対応が必要になる場合もあります。そのため、介護が必要な本人の周りとの関係が良好かどうかを考えおくことが大切なのです。介護がきっかけで、周囲の関係が悪化することは避けるべきです。

誰がメインで介護をするか

次に考えることは、「誰がメインで介護をするか」ということです。これは簡単なようで、そうはいきません。

例えば、本人の息子(長男)が実家の近くに住んでいるとします。その長男は結婚しており、会社員としてフルタイムで働いていて、その長男の妻はパートで週3日働いているとしましょう。

このケースで何が考えられるでしょうか。

もし、メインで面倒を看るのが長男の妻になったとすれば、介護の負担はほとんど長男の妻にかかるようになると、簡単に想像できます。必要な介助が増えてくれば、急な対応や病院につき添うことになり、時間も体力もかなり必要になってきます。

長期的な介護になる場合、長男との関係、本人との関係は良好に保つことはできるでしょうか。また、妻自身や夫の仕事に影響なく、介護を続けていくことが可能でしょうか。介護の量が増えてくると、ヘルパーやデイサービスの回数や、介護に関する出費(移動費など)が増えてくることが予想されます。そうなったとき、家計は大丈夫でしょうか。

誰が介護をするかで状況が変わってくること、長期的に介護が必要になった際には、メインの介護者だけでなく、まわりのサポートがどれくらいできるかを考えておかないといけません。

施設入所することを考えてみよう

ここからは、施設を有効に利用することを考えてみましょう。施設に入所することについて、マイナスのイメージを抱いている方が多くいることは事実です。しかし、一昔前とは事情がまったく違います。それは、施設自体のサービス、日本の人口高齢化、核家族化の増加、共働き夫婦の増加などです。

その証拠に、2000年に介護保険制度が始まって以来、民間企業が運営する施設が劇的に増加しています。つまり、在宅だけでなく、施設へ入所することも立派な介護の選択肢のひとつなのです。

施設入所で考えなければいけないことは「タイミング」です。人生には重要なタイミングが多くあります。就職、結婚、出産もタイミングが重要ですが、施設入所も同じです。

大切な親や親族が、どうやって人生の終末期を過ごすかは、このタイミング次第なのです。在宅介護でも施設入所でも、それぞれの選択があるはずですから、どちらがよいかはここでは結論は出ません。

ここでは触れませんが、施設の種類も多くあります。さらに運営する事業所によって、コンセプト、施設や職員の雰囲気が違います。これも施設入所を決断するためには、大切な条件です。

自分の時間をどれだけ割けるか

在宅介護と施設入所について簡単に触れてみましたが、どちらがよいのかは、なかなか判断が難しいところです。

そこで、ひとつ参考にしてほしい考え方があります。それは、「介護に自分の時間を割く覚悟ができるか」ということです。

自分の時間を割くということは、趣味や旅行、仕事の時間が大幅に減る、なくなる可能性があるということです。自分の親や親族に時間を割けば、自分の家族(配偶者や子ども)との時間も当然減ってきますので、家族の関係が崩れないようにしないといけません。

現在は、医療が進歩しているため、長期的な介護となることが多くなってきています。つまり長期的に自分の時間を割かなければいけない、ということになります。もし、それができないのであれば、在宅介護は現実的ではないかもしれません。

しかし、時間を割けないから施設へ、という結論となった場合、今度はお金の問題があります。在宅介護でも食費、介護サービス費用、光熱水費などはかかりますが、施設ではこのほかに部屋代やベッド代などもかかってきます。

最後に

繰り返しとなりますが、在宅介護か施設入所かという決断は、とても難しいことです。しかし、大切な家族の最期を考える重要なタイミングですので、慌てて決めるのではなく、家族や親族、できれば本人とも話し合い、みんなが納得のいく形を探してもらえたらと思います。

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