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老人ホームの元職員が教える!

失敗しない老人ホームの選び方

失敗しない老人ホームの選び方

介護に携わる職に就いていない限り、老人ホームを探す機会は、人生にそう何度もあることではありません。どんな基準で選べばよいのか困ることもあるかと思います。そこで、老人ホームの元職員である筆者が、失敗しない老人ホームの選び方を、5つのポイントに絞って解説したいと思います。

パンフレットだけで判断しない

パンフレットは施設が独自に作成しているため、当然ながら雰囲気のよいイメージ写真を撮影して使っています。そこで、パンフレットはあくまでも参考として、必ず見学をしてください。

そして、1日見学をしただけでは施設の全貌は見えてきませんので、体験利用をおすすめします。可能ならば数日間、体験利用できればなおよいでしょう。数日間にわたり利用することで、入居者の表情や職員の行動をよく確認することができ、入居者の満足度も肌で感じることができます

自分が楽しくなければ、人を楽しませることはできないのは介護の世界でも同じです。覇気がない、横柄な態度といった職員が目につくようであれば要注意です。入居者や職員が生き生きとしていれば、満足できる介護を期待できる可能性が高いです。

設備よりも大切な職員の質

施設を見学した際、とくに注目してほしいのは、入居者に対する職員の接し方です。基本的に、慢性的な人手不足に陥っている施設は職員に余裕がなく、接し方も雑になることが多いです。あえて職員が忙しい時間帯に見学するというのも、ひとつの手です。

例えば、昼食・夕食時間であれば、食事介助を見学することができます。食事介助の際に、入居者がゆっくりでも失敗してでも、なるべく自身で食べるように時間を割いているかに注目してください。余裕がないと、すべて職員が介助してしまっていることがあります。入居者自身でできることを職員がすべて行っていては、入居者の動作能力が低下し、すぐに自分ではできなくなってしまいます。

食事介助のほかにも、口腔ケアや、食事後に居室へ戻る入居者の見守りなど、さまざまな介助の様子を見ることができます。「お世話になるかもしれないから…」と遠慮せず、忙しい時間帯に施設を見学してみましょう。

また、個人に合わせた、生活リハビリを実践できているかどうかも重要です。ヘルパー任せで自立した生活を送れなくなり、あっという間に能力が低下し寝たきりになってしまうケースはいくらでもあります。とくに認知症の方は、意欲低下が見られることが多く、職員のケアの質によって、その後の生活の質が大きく左右されます。

職員の体制は整っているか

介護の世界は離職率が高いことは有名ですが、しっかりとした経営理念や職員を大切にしている施設は職員の定着率も高いです。職員を大切にしているというのは、給料が高いということだけではありません。職員不足で、仕方なしに給与を高く設定しているケースもあります。職員の離職率を聞いてみる、人員配置や有資格者の割合、日中と夜間の職員の体制がどうなっているのかなどを、施設に確認しておくことも大切です。

また、職員が多いからといって、必ずしも良質なケアを行ってくれるわけではありません。例えば、若手職員と50代以上の職員ばかりで、現場のリーダーシップを取れる30~40代職員が圧倒的に不足しているケースがあります。このケースで推測されるのは、若手職員や中堅職員を酷使して、使いまわしで雇用し、仕事内容や待遇に嫌気がさして定着しないことです(すべてがそうとは限りませんが)。職員の体制を聞くついでに、職員の年齢層も聞いておくのとよいかもしれません。

具体的な経営理念は掲げられているか

具体的な経営理念を持っていることは大切です。施設によっては、きれいな言葉を並べてはいるものの、結局のところは何を目標にしているのかわからない施設もあります。
経営理念は職員の行動指針にもなります。はっきりとしない曖昧な経営理念では、職員の行動や考え方もバラバラになりやすいです。施設介護は1人ではなく、チームでケアしていくため、職員一人ひとりが同じ方向を向いて行動することは非常に重要になってきます。

ふだん生活をしていくうえで、利用する企業の経営理念を意識することはあまりないと思いますが、介護施設においては、具体的な経営理念を掲げているかどうかは、とても大切なポイントです。

入居者にあった施設かどうか

たまに「有料老人ホーム=よい施設」という考えを聞くことがありますが、高額な有料老人ホームや、世間的に評判の高い施設を選ぶことが必ずしもよいとは限りません。高額な施設でも職員の質が低いところもあり、認知症の方が無理をして高額有料老人ホームに入ったものの、認知症の入居者に対するケアが不十分で、1年経たずに自分でトイレに行けなくなったというケースもあります。つまり、老人ホームに入所するうえで最も重要なことは、「入居者自身に合った老人ホーム」を選ぶことです。

施設によって売りにしている部分はそれぞれ違います。

高額な有料老人ホームは、設備が充実していることが多いです。具体的には、最新の介護設備、スポーツジムや娯楽施設といったものから、居室の内装、眺望のよさ、手厚い医療のサポートなどが挙げられます。お金に余裕があり、娯楽を楽しみながら24時間のサポートを受けたいという方には非常に魅力的だと思います。

一方、認知症の症状が進行しており、できるだけ進行を遅らせたいと考えていた場合は、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)が適しているということもあります。グループホームでは、裁縫や編み物、調理などを認知症ケア専門の職員と一緒に行い、自分の役割を持って過ごすことにより、認知症の進行を遅らせることが期待できます。また、入居者数が比較的少ないため、ほかの入居者や職員とのコミュニケーションを図りやすく、ゆっくりとしたアットホームな時間を過ごせます。

どの施設にもいえることですが、医療ケアが必要なのであれば、協力医療機関との連携はどうなっているのか、看護師の配置状況、施設でどこまでの医療行為が可能かなどを、事前に確認をしておくことが大切です。もし、施設で暮らしている間に医療行為が必要な状態になったとして、施設で対応できなければ、退所しなくてはいけないので注意が必要です。

また、歩行状態が心配な方や、専門的にリハビリを受けたい方は、理学療法士や作業療法士がいるかどうかも確認してください。介護職や看護職では知識が十分ではなく、間違ったリハビリを行っている可能性もあります。施設でなるべく転倒なく過ごすうえでも、専門職によるアドバイスやリハビリは大変重要です。

まとめ

老人ホームには多種多様な施設があり、同じような施設でも経営理念や職員の質によって、ケアの質は大きく変わってきます。世間の評判や勧誘に惑わされず、老人ホームを選ぶうえで、入居後の生活の質を高めるにはどの施設が適しているか、譲れない条件は何かを整理し、入居者に合った老人ホームを選んでください。