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「トリプル介護」の経験者が語る

介護ストレスの乗り越え方、モチベーションの保ち方

介護ストレスの乗り越え方、モチベーションの保ち方

自分の身内を介護する日は突然やってきます。本記事では「トリプル介護」を経験した筆者が、介護を受け入れるまで、そしてどのように介護のモチベーションを保っているのか、具体的にご紹介します。

「トリプル介護」になるまで

親が元気でいてくれるうちはよいですが、だんだんできないことが多くなり、あるキッカケから介護が必要に、というケースは多いかと思います。

かくいう私も、同居していた義父が突然亡くなり、そこから義母が難聴と認知症を発症、そして転んで圧迫骨折をし、あっという間に要介護1から3へ。その後、寝たきりとなり、要介護5の在宅介護となりました。

そこにくわえて、実家の両親も心不全で要介護5の父を、認知症で要介護1の母が在宅介護する、という老々介護に。

夫はひとりっ子、実家は独身の弟ばかりで娘は私ひとり。「いつかは、私が看ないといけないのだろうな」という漠然とした思いはありましたが、実家の両親まで、毎日通い介護をすることになるとは、正直想像していませんでした。

受け入れるまでが一番つらい

介護だけにかぎらず、突然、大変なできごとが自分の身に降りかかったとき、不安や取り越し苦労で頭がいっぱいになり、その現実から目を背けてしまいたくなりますよね。

でも、「いやだ、やりたくない」「なぜ自分だけが?」と思い、どうやって現実から逃げるかを考えているときが、いちばんのストレスなのです

起こってしまったことは戻せません。そして、誰かが引き受けないといけないし、“誰か”が自分しかいなかったら、いったんその現実を受け入れてみましょう。

これは私の経験上ですが、あれこれ心配するよりも、とりあえず受け入れてみると、なぜか次々と知恵が浮かんだり協力者が現れたりして、物事がうまく進み始めるのです。自分のなかで、現実を受け入れたことで肝が据わり、冷静に判断ができるようになるからかもしれません。

「なぜ自分だけが、こんな苦労を!?」と、逃げ腰になっているときのストレスは、まず受け入れることで解消できるはずです。

介護が始まると、どんなストレスがある?

人と場合によって、さまざまだとは思いますが、私が感じたストレスの一部をリストアップしてみました。

  • 同じ話を、何度も何度も繰り返す。
  • トイレなどでの失敗を隠したり、不思議な場所に汚れ物をしまいこむ。
  • 大事なものをなくす。ありえない場所から出てきたりすることも。
  • びっくりするほどドカ食いしたり、鍋から手づかみで食べたりする。
  • 突然、人格が変わることも。
  • 自分のことを自分でできないことを認められないので、うっかり注意すると、プライドが傷つき、問題行動につながる。
  • 介護者の予定では動けない。まさに予測不可能。
  • 頑固だった人はより頑固になる。こちらの言葉は受け付けず、ワガママとしか思えない言動が多くなる。

といったところでしょうか。そして、昔を知っているだけに、実親の方がキツイと思います

ストレスを減らす「よかった探し」

これだけ見ると、「やっぱり介護は大変」と思うかたも多いと思います。確かに、大変ではあるのですが、たいして大変ではないともいえます。
「どう捉えるか」で変わることは、たくさんあるのだと思っています。

私にとって、介護はやらなければいけないこと。それならば、嫌々やるよりは、楽しいことを探してやった方がよいと思い、「よかった」を探す訓練をしています

当たり前だと思っている「朝、目が覚めて」「ご飯が食べられて」「手足が動く」「空気が吸える」「目が見える」…すべてのことは、「よかった」ことではないでしょうか。

もちろん、介護していると、見たくない、やりたくないこともたくさんあります。誰でも、親の下の世話をやりたくないですし、逆に親も自分の子どもや子どもの伴侶に、世話をさせたくないでしょう。

ですが、赤ちゃんのときから現在に至るまで、誰にもお世話にならずに生きてきた人はいないはずです。通りすがりの誰かにさえ、あやしてもらい、抱っこをしてもらったかもしれません。

誰かにお世話になって、直接その人には返せないけれど、他の誰かのお世話をする、というように流れてまわっていくものなのではないでしょうか。

介護は「天国貯金」!

「よかった探し」のほかにもうひとつ、私は介護を通じて「天国貯金」させてもらっているのだ、とも思っています。

実際のお金は、どんなに貯めてもあの世に持っていけませんし、遺された人の争いの元になる事さえありますが、誰かの役に立つことは、天国で使えるお金「天国貯金」になっていくと思うのです。昔から「徳を積む」ともいいますし。

ここで大切なのは、「天国貯金」が本当かどうかではなく、自分が介護のストレスに対して、どう気持ちを落とし込めるか、ということです。

「介護は大変!ストレス!」と思いながら嫌々やるのと、「介護は天国貯金のプレゼント!ラッキー!」と思ってやるのでは、どちらが日々の生活が楽でしょうか。私は、断然後者だと思うので、自分で勝手にこじつけて、なんてラッキー!と思っています。

3人の介護をしていましたが、父を一昨年見送り、現在は認知症の母と義母2人の介護になっています。

義母は要介護5の寝たきりになり、認知症もかなりひどくなってしまいましたが、それも徘徊がなくなり、寝かせて出かけても危険が減った、と捉えることもできます。

父が存命中に娘に孫が生まれたのですが、生まれた時期と父が寝たきりになる時期がずれてくれたので、父にひ孫を抱っこしてもらえたことも、本当にありがたいなと思っています。

最後に

3人の介護と2人の孫の子守をしつつ、実は数年前に2つの癌の手術もしていて、さらに夫は20年前から今も無職です。それなのに、ラッキーだというのは、オカシイと思われるかもしれません。

ですが、自分の人生をどう捉えるか、は自由なのです

思いがけないマイナスのできごとは日々ありますが、それをネガティブに捉えず、起こったことをそのまま受け入れていくと、なぜか解決策が出てきて、結局はラッキー!という経験をたくさんしています

もし、この記事を読んでいるなかに、介護でストレスを感じているかたがいたら、いったん受け入れて、「よかった」ことを探してみてください。

きっと、少しずつかもしれませんが、前を向けて気持ちが軽くなると思いますよ!